さざなみのキヲク~宮澤章二先生の詩~

宮澤章二先生の詩をご紹介します

草萌えの譜 昭和45年2月1日



宮澤章二先生の詩です。


毎日新聞埼玉版 昭和45年2月1日掲載





「草萌えの譜」


宮澤 章二 =県文連・文学部長=




ぼくは 早春を忘れていた


忘れながら 待っていた


青い やわらかい 草萌えの時刻を・・・・・・・・



ぼくはもう若くはなかったが


はずむ心を頂くほど若くはなかったが



いつか 早春を告げる草たちは萌そめ


すみれやたんぽぽや母子草のつぼみを


野づら一面に育てようとしている



そのつぼみが かすかにぼくの心で匂った


―――耳には枯れ草の風が鳴りつづけるのに





・・・2月にはもう草花の芽が少しずつ膨らみだすんですね。


確かに、1月半ばの今、ボケのつぼみが早くも膨れてきています。


早春、ですね。


昭和45年。いい時代でした。


その頃の先生は51歳。


若者のわくわくするような弾む心は確かになくなりつつあるお年。


私にもわかります。


ご子息の新樹様によると、先生は「死ぬまで万年文学青年だった」


そうです。だから、お年を感じながらも


芽吹きのにおいを感じられたのですね。







宮澤章二先生



埼玉県羽生市出身。
 東京府立高等学校、東京大学文学部美学科卒業。
 埼玉県立不動岡高等学校の教諭時代に、疎開で加須市に住んでいた作曲家の
下総皖一と出会ったことから、詩人・作詞家として活動を開始。


主な著作は「蓮華」「空存」「枯野」「風魂歌」等多数。
 校歌や合唱曲、童謡などの作詞を多数手がけた。


特に校歌は埼玉県内を中心に300校以上にのぼる。
クリスマスソング『ジングルベル』の訳詞者としても知られる。


日本童謡賞、赤い鳥文学賞特別賞、埼玉県文化賞、埼玉県文化功労賞知事表彰などを受賞。
 大宮市教育委員長も務めた。
 詩『行為の意味』の一節、「思いは見えないけれど、思いやりは見える」が、
ACジャパンの2010年度キャンペーンCMに使用された。


平成17年3月11日逝去。





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