「限りなく広く深く」
限りなく広く深く
宮澤章二
ぱっちりと両の目をひらくと
限りなく広い世界が 目の前にある
ひっそりと両の目を閉じると
限りなく深い世界が 心の中にある
私たちは 無限の世界の中心に立ち
無限のものたちに取り巻かれて
生き生きと 無限の呼吸をつづける
庭に遊ぶすずめたちの鳴き声でさえ
限りない命の流れにつらなって交響し
勉強する国語や数学や理科の世界もまた
限りなく広く深く その果ては 遠い
無限の世界のまん中に立つのだから
私たちは どこへでも歩くことが出来る
限りなく歩いてゆくことが出来る